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5月26−28日 里山帰農塾 イベントREPORT
2006.5.26-28 更新日 2006.6.8 text:宮田武宏
里山帰農塾が2003年に本格始動してから、今年で4年目になります。まだまだ改善点はありますが、少しずつ取り組み方が固まってきたような気がしています。
そして、いよいよ今年度スタートです。参加者は、男性5人、女性3人の計8人ですが、20代から50代までと今回も幅広い参加者を迎えての実施となりました。
自己紹介では、なぜ帰農塾に参加しようと思ったかも尋ねるのですが、今回思ったのは、みなさん「頭で考えるより、とにかく自分から飛び込んで、身体全体で感じてみよう」といった意識の方が多かったということです。世間では、「定年帰農」「2007年問題」などがかまびすしく喧伝されていますが、その次元から一歩飛び出した方たちが集まっているようでした。
今回は、塾長の高野孟さんがどうしても参加できないということで、急遽加藤登紀子さんに講義を持ってもらいました。世界を旅しているだけあって、話題にはあちこちの国で感じたことに広がります。でも、話題はごみの問題に収斂されていきました。歌手で、世界中を回っているとは言っても、登紀子さんにはゆるぎない生活者としての地盤があるように感じました。
夜の講義は木下さんです。今年は、木下産以外の移住者の方にも講義を受け持ってもらうことにしているので、残念ながら木下さんの講義は5月だけになります。木下さんの講義の一番の肝は「工夫する楽しみ」に尽きると思います。籾殻薫炭製造器を作ったり、貯水槽を作ったり、思ったことは何でも実現しているようです。これまでは白井市と鴨川の往復生活でしたが、今年からはほとんど鴨川に住んでいらっしゃるそうで、これからますます田舎暮らしの達人になっていかれそうです。
翌日の作業は、田植え。雨が降っており、時折激しく降る中おこなわれました。「雨のときのほうが苗が傷まなくていいんだよ」という石田さんの言葉を支えに、一本一本植えていきます。休憩を挟んで、さあ再開、とした途端に「あ〜れ〜」びとっ!田にしりもちをついてしまった女性が出ました。「苗、大丈夫かしら?」と心配していらっしゃいましたが、だいじょうぶですよ!元気に育っていますから(と私からのコメントを入れておきます)。
午後からはこんにゃく作り。いやあこれ、大変な作業です。文字で説明すればたいしたことないのですが、実際やってみると手間がかかります。こういった加工品というものは、自分で作る醍醐味がありますよね。夜の交流会では、刺身こんにゃくに歓声が上がりましたよ。
交流会前の講義は増刊現代農業編集長の甲斐さんの「全国の『地元』を旅して」です。日本中を歩き回っている甲斐さんだからこそ、毎回新しい発想、講義が生まれてくるのですね。一聴の価値ありですよ。
夜は待ちに待った交流会。王国野菜を使った料理、地元で水揚げされたアジのなめろうなど、なるべく地元料理を出すようにしています。みなさんずいぶんお酒を飲まれたようで、昔の労働歌を歌い始める方などもいて、とても楽しい時間をすごしました。
こんな感じで5月の帰農塾は進んでいったのですが、参加者の方が一人一人積極的だったのが印象的でした。無償でいいから今後の帰農塾のスタッフをやらせてくれという人が出てきたり、これから帰農塾の参加者は私が中心となって集めるよ、といってくれた方がいたり、多くの人に支えられて王国で活動していることを実感しました。
すでに早期退職されて勝浦で田舎暮らしを始められたFさんは、「帰農塾に参加して、私の決断が間違っていなかったと確信した」といってくださいました。うれしい言葉です。
里山帰農塾は、2泊3日と短い期間ですが、とても濃密な時間をすごすことができます。また、実際に移住した方の話を聞けることは多くの人の参考になると思われます。
「案ずるより生むがやすし」。この言葉の意味を確かめるためにも、ぜひご参加くださいね!
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