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8月11日-13日 里山帰農塾 8月コース 自分で整える住環境
イベントREPORT
2006.8.11-13 更新日 2006.8.22 text:宮田 武宏
今年の帰農塾も3回目となりました。今回のテーマは、「自分で整える住環境」です。農的生活には、『自分で』衣・食・住を作ってゆくことが重要であり、楽しみでもあります。
里山参観では、近くの棚田倶楽部まで行って、棚田から吹いてくる涼やかな風にあたりながら、石田さんの話を聞きました。地元を元気にするには、都市住民の発想が必要だ。でも、自分たちにも守ってきたものがある。それを大切にしてくれる人とともに活動してゆきたい、という話をしてもらいました。
高野さんには、「現代の潮流としての農的生活」というタイトルでお話をしていただきました。日本の食料自給率の問題よりも、まず考えるべきは我が家の自給率だ。日本もヨーロッパのように、新しいものを取り入れるか、古くからある大切なものと共存してゆくようにする方向がよい、とのことでした。
長村順子さんには、今回初めて登場していただきました。東京から鴨川に移住されたときの気持ちなどを話していただきました。幼少期、踊ることが好きでたまらなかった。東京に出て、表現活動を続けていたが、自分の表現を伝えたい相手がいない、と気づいたときに、鴨川への移住を決めた。棚田オーナーとして活動する中で、現在すんでいる家を紹介してもらった。さらに、棚田で感じたことを「里舞」というダンスを創作し、地元の女性たちとともにさまざまなイベントに出演している。順子さんの穏やかな語りが、参加者の皆さんに強く印象付けられたようでした。
翌日は、待ちに待った!小屋づくりです。大工さんを呼んで、差し金を使って、尺、寸といった言葉を使って板の刻みを行ない、どんどん外壁を張ってゆきました。げんのう(かなづち)を何度も振るため、まめができてしまった女性もいました。午前中いっぱいで終わるかどうか不安でしたが、板張りも床張りも両方終了しました。かっこいい小屋ができましたよ!
昼からは、豆腐づくりです。いつもは味に大きな差が出るのですが、今回はほとんど差が出ず、こんなこともあるのだな〜と実感しました。しっかりと味の固まった、いい豆腐でした。
最後の講義は、増刊現代農業編集長の甲斐良治さんです。自分たちで自分の村を守ってきた農民の話がありました。先月も書きましたが、「生存に関わることは自前でやるのが当たり前」という言葉は、自分の中に深く突き刺さってくるものでした。また、農村へ向かう若者たちの動きも着実な流れを予想させます。今後、農村がどのように変わってくるのか、ひいては日本がどうなってゆくのか、解決の方向性がここら辺にありそうです。
夜は交流会です。激しい夕立が降ってきたので、開始は山小屋で行ないました。サプライズで焼き鳥の贈り物もあり、王国で育てた野菜の料理をおいしく頂きました。加藤登紀子さんも出席して盛り上がりました。
帰農塾で知り合った人たちとの今後の交流、それぞれの進路が楽しみですね。
では、次回は9月にお会いしましょう!
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