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REPORT
9月22日-24日 里山帰農塾 9月コース 豊かな実りを味わおう
イベントREPORT
2006.9.22-24 更新日 2006.8.22 text:宮田 武宏
帰農塾が終わって、もう一ヶ月が過ぎてしまいました。感動を思い起こしながら書いてみます。自己紹介のときは、皆さんの思いが語られます。話を聞いていると、自然との暮らしは、単なる流行ではなくて一つの大きな流れであることを実感させられます。
高野さんの講義では、農業は本質的に自然破壊である、との衝撃的な言葉が。現在の混迷は、元来、自然に対して「働きかける」、自然の再生力の範囲内で、というつつましさを忘れてしまったことに根源がある。日本には、自然に寄り添ってきた伝統がある。その例として、江戸時代は完全リサイクル社会だったことが挙げられました。それは、土のあるくらし、と言い換えてもよい。逆に、土のない暮らしには、食のブラックボックス化による食の不安が存在する。国の自給率を上げるよりも、まずは我が家の自給率。自給とは、背景を知っている物を食べること。つまり、食の安全というのは、量より質である。明治時代から農村から都市への流入が行われてきた。農村回帰の流れは、いわば100年目の大逆流といえる。そして、団塊世代は、「ふるさと」を経験した最後の世代といえる。ジュニアの世代は、農に目を向け始めている。我が家の自給率、という考えで生活することが農的生活の始まりなのだ、という話でした。
団塊よ、ジュニアに続け!と煽るのは甲斐さんです。最近の若者は、軽やかに農的生活を楽しんでいる。たとえ低収入でも生きていける方法を考えて、楽しく生きている若者がいる。若者はなぜ農山村に向かうのかといえば、それは自分の位置が見えやすいからだと考えている。人を大きな流れ、塊として捉えるのではなく、どう生活してゆくか、どんな風にして生きていきたいのか、と考える時代だ。これからの時代は、自分がどう生きるか、どう生きてゆきたいかを考えていく時代だ、と話がしめくくられました。
翌日の朝は稲刈りです。5月の帰農塾で田植えをした畑の稲刈りです。水が切れなくて、足がずぶずぶになってしまいましたが、刈り手と縛り手にわかれて、2枚の田んぼをやりきりました。田植え、草取り、稲刈りと帰農塾田んぼの全ての作業に参加したYさんの表情は充実したものでしたよ。
加工品づくりは、房州名物祭り寿し作りです。先生は、大山千枚田保存会の川名さんです。川名さんのポイントを押さえた指導のもと、ほら、こんなにきれいに、美味しそうに作れました!
最後の講義は、クマさん共和国大統領の小熊さんです。小熊さんは、帰農塾の出身者でもあります。所沢と、千倉町(現南房総市)で展開している農場、農的生活の話をしてくれました。農的生活で大切なのは、どのように地域へ貢献していくかだ。自分だけの生活ではなく、村の生活をしていくということだ、という話に参加者の人は新鮮な驚きを覚えたようです。
今回の帰農塾は、参加者の皆さんの気持ちがぐっと寄ってきた感じを受ける、充実したものになりました。これからどんな生活を送っていくのか、その活動を支え、一緒に王国活動も進めていきたいものです。次回は、11月17日から19日までの3日間です。加藤登紀子も3日間参加しますので、ご参加お待ちしています!
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