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帰農塾 参加者 レポート |
KINOUJUKU SANKASYA REPORT
10月10日~12日 里山帰農塾 10月 ~わたしのXをさがそう~
2008.9.21 更新日 2009.10.23
密度の濃い三日間
H.T
久しぶりに密度の濃い三日間を過ごすことができました。この三日間の中でとくに興味深かったのは脱穀作業です。
もともと身体を動かすのが好きなので、青空の下、三時間余りにわたる脱穀作業は充実していました。ハザ掛けして天日干しした稲をハーベスターに運ぶ作業、それをハーベスターにかけ、稲モミとワラに分ける。そのワラを束ねる仕事。稲を干してあった竹を束ねる作業。そのどれもキッチリやっておかないと後で作業をやり直すことになる。ワラ一二束をひとまとめにする作業も私にはむずかしいことでした。また稲束を両手にふり分けて運ぶ作業も力のいる仕事でした。
これらの仕事をこなしている間に、いつのまにか無心になっている私がいました。これが農作業のダイゴ味でしょうか。
また機会があったら、田植え、草取りなどに参加してみたいと思いました。
最後になりましたが今回の里山帰農塾で出会ってエネルギーをいただいた参加者のみなさん、スタッフの方々に感謝しています。ありがとうございました。
自分の中に種を植えた三日間
N.T
今回のテーマ「私のXをさがそう」を知ったのは、参加2日前だった。現在、無職・家事手伝い(農作業込み)の私は、自家消費用の野菜を作り暮らす生活には結構充実していたものの、収入のないという事実に多少の引け目を感じていたところだった。
「なんという絶好のタイミング!」
一緒に行こうと声を掛けてくれた友人に感謝しながら鴨川自然王国に着いたのだが、到着して二時間で自分の考えの無さ・甘さを痛感することになった。他の塾生たちやスタッフの皆さんの帰農生活への熱い思いは、話を聴く程に伝わって来る。また講師の諸先生方の講義も、色々な角度での視野と示唆に富んでいた。特に実習は農作業の良い点だけで無く、実際に起きている・起きうる問題点や苦労も体感できた。このことは、これから農生活を目指す人にとっては非常に有益と思われる。
座学実習では、今回の主題とも言える「X」について自己を深く掘り下げる作業をした。
この作業は実に興味深い結果を得ることが出来た。一つは自分のXは今までの自分の積み重ねが鍵となるという発見。二つ目は、今後の進路に対する安心感。安心感というのは言葉が足らない気もするが、肩に力を入れてお金を稼ごうと生きなくても実は生きることができるんだということを認めてもらった様な感情。一方で、生きることと真剣に向かい合おう、向う方向を決めたら、もっと懸命に動こうと思える様になった。
三日間という時間では明確なXは見つけられなかったが、三日前とは違う感情を手に入れたのは確かで、実に有意義であった。温かいスタッフの皆さんと熱い心を持った塾生の皆に感謝である。
「夢」を現実にするために
S.K
気持ちがいい。それがこの鴨川に身を置いて一番に感じること。風も景色も音も、一つ一つがお互いをこわすことなく、調和していて、だからこそここにいるだけで心が落ち着く。東京での生活で感じる不安や矛盾も、ここに来たら、なんのことはない、ただのちっぽけな小石のようでしかない。周りが真っ暗に感じられて、だからこの小さな小石にさえつまずいてしまうんだろうなと思う。でも田舎には、暗闇ではなく光がたくさんある。その光の存在をもっともっと多くの人に気づいてほしい、そう強く感じた。
半農半Xの「X探し」、それは明日からの、いや今この瞬間からの私の大きな課題。でもそれは苦しいことではない。苦しいものにしてはいけない。「仕事」「お金稼ぎ」という視点を一度捨ててみようと思う。今回の帰農塾での貴重な時間の中で、この何年か忘れていた、ずっと幼い頃に夢中になったことを色々思い出した。一人でも何時間でも外で遊んでいたこと、じっくり景色を見て絵を描くのが好きだったこと、など。それらは学校へ通うようになり、勉強に時間をかけるようになるにつれて、いつの間にか生活の中から消えてしまっていたけれど、そんなささいな「楽しみ」をもう一度見つけていきたいと思った。答えは、きっと自分の中にしかない。社会の常識が決めるのでも、他人が決めるのでもない。自分の素直な感覚、直観を大切にしていきたい。
また「X探し」のワークショップで、自分の軸を再確認できた。自分のエンジンとなっているものは「幸せ」。これまでも、そしてこれからも、これが私の人生のテーマであるように感じている。本当の幸せとは何か?海外生活を経験してから、そのことが頭のどこかにいつもある。それを考えるのはひとりひとりの「笑顔」のため。この自分の軸を常に忘れずに持っていたい。
帰農塾は二回目だったけど、本当に今回も貴重な時間だった。一つ一つのヒントを力にして、夢の生活の実現へ向けて進んでいこうと思う。
鴨川の自然、王国のスタッフの皆様、一緒に時間を共にした方々に本当に心から感謝します。ありがとうございました。
きのうのみらい
M.K
農業体験を今回のメインの目的として参加させていただきました。農業の何か一つでも作業させていただければ満足だと考えていました。しかし、学べたことの中で一番大きかったのは、自然王国の人々や参加者の方々との出会いでした。
座学では、里山の現状が本やインターネットではわからない生の声をうかがうことができました。法律や村のしきたりなどでがんじがらめになっている状況。その中で地域のコミュニケーションを大切にして助け合い、理解を深めていく移住者の姿勢。新しいものや仕組みをつくりあげていく力を感じることができました。
農業体験では、ただ土にさわるだけでたのしいと感じることができました。長ぐつをはいていましたが泥の中をあるく感触はきもちがよかったです。
「私のXを探そう」という実習では、意外な自分を発見することが出来ました。自分では、せかせかせず一つ一つゆっくりと物事を消化していく生き方を考えていましたが、実習をつうじて感じた自分の気持ちは、どきどきわくわく、うきうきを求めていることでした。これを自分の心に置きつつこれからの人生を考えてみようと思います。
帰農塾では、今まで自分が考えていたことや経験などに違う価値観や情報、体験を加えてごちゃごちゃにかき混ぜたような感覚を味わうことができました。これをもとにして自分の生き方を見つめなおそうと思います。これからも勉強会やイベントに参加させていただきたいと思っています。
三日間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
帰農塾を受講して
M.K
正直なところ、ここまで濃密な深い三日間とは想像もせず、鴨川までやって来ました。幼少の頃から「自然の中で生活をしたい」という思いがありましたが、私の「妙なこだわり」ではないかという人の意見や周囲からのマイナスの意見などに左右され、以前はその気持ちにフタをしていた自分がいました。ところが、約20年近く勤めていた会社をリストラで辞めてから、沢山のキラキラしている人達に出会う機会が多くなり、自分自身の価値観を大切にしようと思いはじめ、「自然の中で生活がしたい」という気持ちが再び強くなり、自分の本能を信じ、この帰農塾に参加する事にしました。今回のテーマは「半農半X」という事で、「X」を見つけたい、また農的生活を体感したいという目的をもって参加しました。三日間の中で私にとって一番の収穫は「X」がクリアになったことです。甲斐さんの講義で、栃木に単身で移り住み、とにかくやってみたいという純粋な気持ちで農業をはじめ、日々試行錯誤しながら、付加価値のある作物にトライしたり、前職の経験を生かしたアクセサリー作りを販売など、自分の出来る事から「先ずやってみる」というやり方を知り、「あ、これだ、この方法だ」とストンと腹に落ちました。実は今日までに、本や人からの言葉で「まずアクションだよ」と何度も耳にしていましたが、この言葉が自分の中に入ったのは今日がはじめてでした。この三日間で講師の方の話や何気ない食事中の会話の中に沢山のキーワードを頂き、東京に帰ってからの生活と未来に向けての準備をアクションが更に楽しみになってきている自分がいます。会社を辞めて本当によかった。帰農塾に連れて来てくれた不思議なご縁(神様)と出会った人たちに感謝しています。ありがとうございました。
農と自分と天命と
D.K
自分がこの研修に参加するにあたり、自分の中では「X」が既に決まっていた。もしくはそう思っていた。
その思いは今でも変わらず、否、より強烈な欲求と、不思議な事に「使命感」を新たに掲げつつ、現実に向けて進んでいこうと思える様になった。
自分が農的暮らしに興味を抱いた理由は、明確な根拠の無い不安感だった。現在の自分の生活が、自身の力の届かない物に依存して成り立っているという思いが常に有り、「なんかの非常事態が起こったなら、自分の生活などあっさり吹き飛んでしまうのでは?」という不安感から、せめて自身で食糧の面倒を見れる様になりたいと、考える様になった。
この研修では、暮らしに農を持つ様々な人の考え方、生活の実態に触れる事が出来、農的生活の実例を求めていた自分にはとっても有難かった。そしてその人達が、自身の生きざまに抱いている自信(とささやかな不安)、又そのバイタリティに触れ、「こうしてはおれん」という欲求が高まった。自分もその生活をやりたい、と。
農的生活の実現が、容易では無くとも可能である、教えてもらえたのはとても嬉しかった。
一方自身でこうだと思っている「X」については、自分のXは造園、庭造りや樹の手入れだが、もっとやり方を考える余地がある、と思う様になった。といっても尻込みしているつもりは全く無く、その共同体―村や町、あるいは街かもしれない―の人々にとって役に立ち、喜ばれ、且つ私という人間を表現する様なやり方として、今の自分は考え至っていない、もっと良い手段が有る様に思えてならないのだ。というより必ず冴えたやり方が有る。それをもう少し探したいと、今では思う様になった。
焦りながら探しては良い物を見つけきれない。だが思索してばかりでは何が有るかすら分からない。この鴨川自然王国からは何本もの、自分にとって興味が有り、必要でも有りそうな道筋が伸びている。それらに踏み出し、時には一歩目まで戻らせてもらいながらも、前に向かって進んでいこうと思う。
二泊三日、濃密な時間をありがとう御座居ました。
自分なりのX
Y.N
「半農半X」という言葉に魅かれて参加させていただきました。“X”というのはこれから見つけるもの、収入源という考えでしたが、実際に半農半Xの暮らしをしている人々に話をうかがい、何か特別なものではなく、今の自分の好きなことや地域のニーズをつかんで創造する、ものであると気付かされました。また、古くは日本の家庭のほとんどがそうであったのだから、かつての当たり前の暮らしに回帰するだけではないかという気がしました。
田舎の暮らしに憧れるけど都会も捨てきれない。モノより心の豊かさを求めながらもお金への執着もある。
半農半Ⅹは、私にとって相反する二つの要求をベストバランスで両立することができる考え方、生活スタイルだと思います。また“X”に入るものは不変ではなく、自分の好みや社会のニーズによって変化し、もしかしたら、生きている限りずっとさがし続けていくのかもしれませんし、既にここにあるのかも知れません。
二泊三日のプログラムを通して、多くの人と出会い、その人たちの人生に触れました。この出会いこそ人生の宝物であると思います。
「人生は旅のようなもの」と誰かが口にされました。私はこの出会いを求めて旅をしていきたい、迷った時はワクワクする方の道を選びたいと強く思いました。
数時間の農作業では語らいとは違う充実感を与えてくれました。食物をつくる喜び、それを食べる喜び、何物にも替えがたい喜びを得ることができました。
答えは出ていませんが、ゆっくりと楽しみながら人生を耕していきたいと思います。
スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
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