第5回 中級コース 2004. 11/26−28 text:宮田武宏
今年度最後の帰農塾となりました。野菜くずの堆肥プラントを経営している人、ソニーを早期退職されて宮城県に土地を購入された人など、男性4人、女性1人、それにYaeさんを加えた合計6人が参加されました。
高野さんの講義は空間的に大きな広がりをもったものでした。私たちが見失っていたもの、新しく作ってゆこうとしているものは、江戸時代、もっと古くは縄文の昔から行なっていたのです。それを今の時代に合わせて取り戻す、ということに希望を感じました。
甲斐さんの講義では、地元学というのは「ないものねだりではなくあるもの探し」という言葉が胸に響きました。田舎に暮らしていると「あれもない、これもない」と考えがちですが、実は、「あれもある、これもある」と新たな発見の日々です。帰農塾と直接の関連はありませんが、私はここに来て既に5,6種類の蛙に出会いました。蛙がすめる、ということはまだ豊かな自然が残っている、ということだそうです。
木下さんは、満面のほほえみで田舎暮らしに退屈することはありません。とおっしゃっていました。
帰農塾入門コースは、2泊3日と、非常に短い期間で行なわれ、農的くらしのほんのさわりの部分しか体験することができませんが、それでも、塾生の皆さんには新鮮な体験だったようです。
定植した玉ねぎの苗の実った姿を描くことができた、と話してくれた人がいました。今度買った土地の近くのお寺でYaeさんのライブをやりたい、という人など、多くの人が今後の生活に希望をもてたようです。一度しかない自分の人生を、自分の描きたい方向にデザインしてゆける、ということは素晴らしいことだと思います。
参加者の言葉の中に、「交流するということは、多様な視点を持つことだ」という言葉がありました。帰農塾に参加される人々は、それぞれ自分の人生を精一杯生きてこられた方が多く、私にとってはいろいろな話を聞かせてもらうだけでもとても刺激になります。各々の人が各々の持ち場で持てる力を発揮することができればどれほど素晴らしいでしょう。そんな活動ができる場作りをしていきたいです。
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