田中正治
安房ルネッサンスMAP (masa訪問記)

林 良樹さん訪問記 
鴨川市   更新日 2004.12.20 

■text:田中正治

自転車を引きながら、おっちらこっちらと山道を登っていくと、あちこちに金網が見える。猿や鹿、イノシシから畑を守るために太陽光発電で電流を通しているという。林さん宅はそんな山の中腹の見晴らしがすばらしいロケーションで、ミカン畑や倉のある古民家だ。ご夫婦とお子さん二人での半農半X・マイペースの暮らしぶりがうかがえる。林さんの半Xはイラストレーターだ。

地域通貨・安房マネーは、ちょっと注目の地域通貨だが、その提唱者が林さん。2年間で会員が80名。オーガニックのケーキ屋さん、整体師、有機野菜の生産農家、オーガニックカフェ、陶芸家、鍼灸師、ホームページ製作、イラストレーター、建築家・・・・と多彩な人たちがネットワークしている。通帳にお互いが、したことしてもらったことを記載するLETSシステムで、林さんも裏山の伐採に安房マネー会員に来てもらって整理したとのこと。
安房マネーのURLは、http://www.awa.or.jp/home/awamoney
e-mailは、awamoney@awa.or.jp  Tel/Fax 0470-98-1878(林)

第三世界の地域通貨は、物質的飢餓からのサバイバルという要素が強いが、先進国の地域通貨は精神的飢餓からのサバイバルの要素が強い。安房マネーは、両方兼ね備えた感じだという。都市から移住してきた人はお互い助け合っていかなければ生きていけない、そういう切実さを抱えて生きているからだと。

元祖地域通貨の一つ、イサカアワー(アメリカ)のイサカ市では、有機農業、エコ住宅や自然エネルギー、パーマカルチャー等を組み合わせてのエコビレッジ構想が進んでいるとのこと。イサカ市の核になっているコーネル大学ではコミュニティー学部も出来ているらしい。
オーストラリアのマレニーでは、ミニ協同組合(ワーカーズ・コレクティブ)、ミニ銀行(マイクロ・クレジット)、地域通貨、パーマカルチャーをリンクしたコミュニティー作りが進んでいるとのこと。今、世界は第二次コミュニティーブームだという。第一次は1960年代のヒッピームーブメントの時だ。

林さんのお話を聞いていて、これからの鴨川、安房地域もこうしたビジョンを共有した人たちのエネルギーのネットワークが、創造のリンクを広げ、多様な花を咲かせるだろうと予感した。



 



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