バンブートーン 鴨川市 更新日 2005.4.11
■text:田中正治
3月23日、何かイベントがあるらしいと聞き、さっそく田んぼの中にあるバンブートーンへ行ってみた。30歳台の若い男女がいっぱい。ライブの乗りでいい感じだ。朝までやるぞ!ということだ。タイトルは、”みどり&バンブートーン”。バックパカーズのためのB&BとCafeをやっている”anuenue” http://www.anuenue-backpackers-herbs.orgのオーナー・20歳代のカップルがコーディネイト。こんな若者達と乗り乗りで楽しんでいるのがバンブートーンのオーナー・鶴さんだった。
こんな鶴さんのエネルギーの”みなもと”を知りたくて訪問した。60ー80年代、渋谷で音楽スタジオを持ち、音楽家として、経営者としてガンガンならしていたが、あまりのハードさに奥さんが肝硬変。自分達のために時間を持つべきだ!と沖縄移住を決心していた矢先、房総に別荘を持っていた友人の誘いに乗って房総にチョット寄ってみたのが人生の分かれ目。鋸南町の横根の山の中が気に入り、住み着いてしまったのが17年前。
http://www.awa.or.jp/home/tsuru/tsuru_006.htm
よし!こういうところに来たからにゃ、自給自足だと田んぼを開墾。近所の農家・田中さんの指導を受けて自然農法の米作りを開始。なんと、初年度から大豊作。家の周りを見渡せば竹ばかり。竹をコンコンとたたいて廻るとけっこういい音がするではないか。竹にハマってしまい、独創的な竹楽器を次々と生み出していった。
http://www.awa.or.jp/home/tsuru/tsuru_001.htm
自給自足・米作り・健康回復のためとなれば、玄米菜食。玄米はおいしい!かめばかむほど味がどんどんしみ出てくる。人はこの快感にはまってしまうのだ!鶴さんは、玄米1口・200回噛んだと言う。ふと気がつくと、この200回から人を見るようになっていた。”病気だ!””健康”に振り回されている自分を発見。そうじゃない!と今は、美味しく食べることをモットーにしているとのことだ。(僕も一時この心境になっていたので、実感的納得)
食べ物談義になったついでに、鶴さんから”特製セリ・ギョーザ”の作り方を教えていただいた。ここ加茂川の山中では、チョットした水辺にはセリは群生している。「セリをメインにニラや三つ葉・・・・を具にしての、ジャンボギョーザ。これがたまらなくうまい!」と鶴さん。(訪問から帰り、早速作ってみた。セリの香りとにがみが最高)。
4人の子供たちとご夫婦のファミリーバンドもユニーク。2003年から始まった環境のエンターテイメント+勉強=「加藤登紀子の鴨川未来たち学校」http://www.k-sizenohkoku.com/miraitachi_top.html 鶴ファミリーバンドは数回出演。そのあったかい家族的和が、参加者の心を開かせていった。
http://www.k-sizenohkoku.com/kako_miraitachi/miraitachi_vol01.html
”夢”は、世界中を廻り演奏すること。最近、痴呆症のお年寄りのところで演奏したとき、オリジナルの曲には反応がなかったが、”童謡や唱歌”になると全員が全てをおもいだし、完璧に歌われたとのこと。“音楽は癒しから始まったのだ”、と鶴さん。そういえば僕も好きな”ベンチャーズ”をかけながら青春の体のリズムを取り戻している自分を発見する。
こぼれ話を一つ。江戸幕末のころ”口琴”(細く薄い竹をくわえて、ウイーン・ブウイーンと鳴らすちっちゃな楽器)が巷で大流行。幕府は、「”口琴”禁止令」を発令したという。庶民は暇さえあればこの”口琴”にはまって、ハイになってしまっていたらしいのだ。人間ってやつはどうやら、音楽なしには生きていけない生物らしい。
http://www.awa.or.jp/home/tsuru/tsuru_002.htm
|