台風の余波を受けた嵐の中を、二百数十名が参加して、第二回「鴨川・未来たち学校」が開催された。テーマは、「海に聞こう」。
主催・「鴨川・未来たち学校」、企画・T&T研究所、協力・鴨川の環境を守るネットワーク、共催・鴨川市で準備された。
ウエルカム演奏は、”SMILE AGAIN、ほたる、夢、生きている鴨川”と鴨川少年・少女合唱団の透明な響きに魅了された。
生徒代表の加藤登紀子の司会で、本田鴨川市長、鴨川の環境を守るネットワーク・伊藤代表のあいさつから始まった。
サーファーの上田真寿夫さんは、海岸侵食が起こる理由、テトラポットが海岸線を変え、砂浜をなくしていく理由を説明された。
鴨川の海岸の砂が、マリーナなどの突堤のために、東から西へ移動し堆積していっている。砂浜も小動物の棲家なので、棲家を勝手に減らしていることになっているのだ。対症療法的発想が実は、次々に問題を発生させ、またその問題に対症療法的治療をするという悪循環を、どこから断ち切れるのか?
「イワシ予報官」といわれる平本紀久雄さんは、地球の水循環、黒潮と親潮、イワシの生態、海流との相関関係を説明された。環境問題に関する彼の考えは、興味深い。漁業不振の原因は、
重工業優先による自然破壊で、漁業切捨ての内湾埋め立てや臨海港湾建設、漁港建設だった。干潟や砂浜を削ったことで、海辺の浄化力が喪失し、海流が変化し、海の生態系が破壊されたことにその原因があった。人工漁礁や栽培漁業も沿岸漁業の建て直しには程遠い。海の生態系に基礎を置いた漁民による自主資源管理と漁業管理が解決の方向であるようだ。
ダイバーの成田 均さんの”海の中の世界”を見せていただいた。
館山沿岸の珊瑚、魚達の集団での乱舞、海底で繰り広げられる生き物達の生きるためのすばやい行動。その中に、人間達が無造作に捨てた醜いゴミが映し出される。成田さんは美しい映像を映し出すのはたやすい、このゴミを直視してほしいいう。
ジャック・マイヨールの思想ー「ホモデルフィナス(イルカ人間)」について話してほしかった。
たくさんの質問がパネラーに寄せられた。パネラーの解を聞いているうちに、海という人間を無力にさせてしまう物質循環、生態系に手を加えれば加えるほど、次々に手を打っていかなければならなくなり、その無限の連鎖の中でGIVE UPするのは人間の側なのだと実感した。地球の物質循環、生態系に可能な限りそった技術の開発が、一人科学者、技術者の問題ではなく、それらの技術を吟味する過程に、市民が参加し、関与するシステムづくりこそポイントかなという思いを持った。
次回の「鴨川未来たち学校」は、11月、ゴミ問題をテーマに予定
されているが、夏休みに、小さなワークショップが行われれば、
充実するかもしれない。 |
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ウェルカム演奏は、鴨川少年少女合唱団です
サファーの上田先生
質疑応答。今回は市長への質問もありました
T&T研究所
代表 加藤登紀子
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