第三回「加藤登紀子の鴨川未来たち学校」のテーマは、ずばり「ゴミをどうする?」。加茂川の水源地に計画されているゴミの最終処分場問題をきっかけに、ゴミについて、どう考えたらよいのか、根本的解決は?といったテーマを楽しい雰囲気の中で感じ、考えてしまえるエンターテイメントなのだ。
まずは、「水カンリンバ」。何だこれ?「カリンバ」という楽器がアフリカにある。察するにさわやかな音色らしいのだ。そのれに近い音色を、そこいらにゴミとして転がっている空き缶に水を入れて作ってしまおうというわけ。空き缶に水を入れてカリンバの音色を出すので「水缶リンバ」と、考案者の丸山さんという方が命名されたとか。
今回の講師は、富山吉男さん。本職は貴金属の職人。「水カンリンバ」の素敵な音色に魅せられ8000本以上も製作されたとか。何よりも美しい音色が取り持つ人の出会いがうれしいとおっしゃっていた。朝10時から製作開始。
日本のスティール缶(アルミ缶は良くない)に水が通る穴を開け、9割ほどの水を入れる。その両方に、スティールを一本ずつテープで張りつけ、一方の缶だけ、ピンピンとはじけるように切り込みをいれ、最後に和紙を貼り付ければ完成。(書いてしまえば簡単だが・・・・・)
上下に傾けるとポロロンといったなんともいえぬやわらかい音色がうれしい。20人の人が生徒になって、子供に返って夢中で製作。失敗作もなく全員音色に酔いしれるのでありました。富山さん、ありがとうございました。
ウエルカム演奏は、地元の「鶴勝栄ファミリーバンド」。ご夫婦と4人のお子さんのファミリーが、お手製の楽器で鮮やかな演奏。孟宗竹のでっかい竹の根っこを使った打楽器、竹製の胡弓、竹製のドラム・・・ぐぐっと洗練した雰囲気でとってもいい感じ。"さくらさくら"はもう一度聴いて見たい!
12月30日には、鶴さんのレストラン"バンブーハウス"で演奏会がありますよ。場所は、鴨川から行くと、長狭街道を走る日当バスの終点・金束から3分くらい。
加藤登紀子さんのウエルカムソング"あなたに"で一気に華やかに開校。青山さんも、話の途中でおっしゃっていましたが、ゴミ問題という"くら〜い"話を、どんと明るくやってしまうには、登紀子さんのキャラですね。
今回は、市長はご多忙で鴨川市と天津小湊町からは、助役さんが仲良く登場、挨拶された。
環境総合研究所所長/武蔵工業大学教授の青山貞一さんのお話で印象が強かったのは・・・・・
1) 世界のゴミ焼却施設の数では、日本が断断断トツ!
2) 鴨川市のゴミの排出量は、なぜか100万人都市の排出量並。
3) 燃ゴミの約60%が生ゴミ。約30%が紙類。これらはゴミでなく資源なのだ。
4) 不燃ゴミの83%が、なんとプラスティック!10%が金属類とガラス。これもゴミではなく資源化が可能なのだ。
5)プラスティック類がぐんぐん多くなっている。これが最悪。石油から作るんじゃなく植物デンプンから作れば土に返るのにね。ほんと。
6)大気中のダイオキシン濃度は日本とアメリカが,断断トツ。
7)カナダのノバスコシア州のハリファックス市では、市民主導で企業と行政を巻き込んで、ゴミ問題を解決!している。
8)そこでは、燃やせる、燃やせない、ではなく、資源化可能か、資源化困難か、と発想している。
9)ハリファックスの5つのRの実践
REDUCE:ゴミを出す量を減らす。排出抑制。
REFUSE:不要なものは買わない。拒否する。
REPAIR:修理して使う。安易に捨てない。
REUSE:再利用する。質の良いものを長く使う。
RECYCLE:リサイクルする。素材に戻す。
10)ゴミ問題の解決は市民の手で
*補助金と技術への依存から、暮らしの知恵を生かした、減量化と排出抑制。ハイテクよりローテクで。カナダノバスコシア州ハリファックスのゴミ対策方式の特徴は・・・・
●大前提としてのショップスチュワードシップ(世話人)
1)金銭負担をする。デポジット
2)作業を分担・参加する
3)排出者としての責任を果たす。
●明確なビジョン
1)排出抑制
2)排出規制
3)脱焼却
4)脱埋め立て
5)地方自治
6)住民参加・合意形成
●わかりやすい戦術
1)市民・NPO・企業参加の計画立案、立地選定、事業実施、
2)市民参加の分別(生ゴミ、容器、紙、プラスティック、有害物)
3)分別ゴミの資源化(リユース、リペアー、リサイクル)
●具体的でローテクの施策・活動
1)生ごみ堆肥化(堆肥化工場、庭での堆肥化)
2)デポジットの導入
3)収集時点での環境デポの設置
4)リサイクル工場の設置
とにかく、文句を言うだけでなく、自分達で難関を突破、代案を提起し、やりきってしまう、このハリファックス市民はすごい。 |
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午前中に行われたワークショップは「水カンリンバ」と「ごみの分別」。こちらは、水カンリンバ作成の様子
こちらが冨山先生。ご自分では、演奏者ではなく、製作者だとおっしゃっていましたが…
Vol.1「水を考える」のきも演奏してくださった鶴ファミリーバンド
今回の講師を務めていただいた
青山先生(右)と池田先生(左)
最後は、全員で「生きている鴨川」を熱唱
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